水ぐらし

水にまつわる暮らしのあれこれ

排水管の寿命は?

春になると会社などでは、健康診断がある所も多いですね。
増えていく血中コレステロールの値に、
毎年、危機感を抱いていたりする方も多いのでは?
悪玉コレステロールが増えると、
血管が詰まりやすくなって、血管の壁も脆くなってしまうそう。
気をつけてくださいね!

さて、本日は何の話かと言うと、
建物の血管(配管)の老朽化と寿命のはなしです。

 

http://www.flickr.com/photos/54799099@N00/8129224780

photo by the justified sinner



排水管はどんどん老朽化する

排水つまりはよくある水まわりのトラブルですが、
つまりを取り除いてあげるだけでは足りずに、
排水管自体の寿命が近いというケースもよくあるんです。

毎日毎日、私たちの生活排水を
下水に流し続けてくれる排水管。

油脂よごれや、汚泥、洗剤成分などが排水管内に付着して
だんだんとつまりが発生するだけでなく、
配管の素材も老朽化し、サビの発生や接続部のズレ、破損なども
起こり得ます。

大きなトラブルになる前にしかるべき対策が
必要になってきます。


そもそも排水管の寿命は?

建物の築年数が20年近くになってくると、
配管類は実はそろそろ寿命と言えます。

※配管の素材によって少しづつ寿命が違います
亜鉛メッキ鋼管:20年程度
炭素鋼鋼管:20〜25年程度
塩ビ管:30年程度
鋳鉄管:35〜40年程度


年に1回の洗浄メンテナンスをしていても、
20年も使えば、取替えや補修を検討しないといけません。


排水管取替えは大工事に…代替工法も

20年近く経過している排水管は、
小型カメラを挿入して老朽化ぐあいを確認します。

まるで血管に溜まったコレステロールのように、
スライム状の物体(バクテリア類の住処)がこびりついていたり、
赤錆が大量に積もっていたりと、なかなかおぞましい状態に
なっていることも多いです。

老朽している配管は取替えをすることになりますが、
壁のなかに埋まった配管の取替えには大きな工事が必要です。
特にマンションなどの集合住宅で、総取替えの場合には、
何10年かに一度の大規模修繕工事になります。

今では、配管を取替えずに、古い配管の内側を新しい素材で
コーティング(専門用語で「ライニング」と言います)する事で、
配管をリニューアルする工法も開発されています。
コストも工期もだいぶ抑えられるようですので
検討してみても良いですね。


排水管を長持ちさせるためには?

とはいえ、交換や代替工法もお金がかかるので
できるかぎり長持ちさせて使いたいものですね。

排水管を少しでも長持ちさせるには、
定期的なメンテナンス(年1〜2回の洗浄など)などのほか
日常生活のなかで気をつけられる事もあります。

食べ物くずを排水に流さない
油を排水に流さない
熱湯を排水に流さない
中性洗剤以外の洗剤を排水に流さない

食べ物くずや油は、雑菌やバクテリアが繁殖して、
それが配管の壁にこびりつきどんどんと増殖していってしまうのです。
熱湯や中性以外の洗剤は、配管に大きな負担を与えて、
変形や劣化の原因になってしまいます。

日頃から気をつけて、
ぜひ、大事な配管をいたわってあげてくださいネ!!